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不妊症について先生にインタビュー

着床前診断

【着床前診断とは】

大谷産婦人科不妊センター院長 大谷徹郎先生の画像
大谷産婦人科不妊センター
院長 大谷 徹郎先生
http://www.ivf.co.jp/

着床前診断とは受精卵が子宮に着床して妊娠が成立する前に、受精卵の染色体や遺伝子に異常がないかどうかを検査するものです。

習慣性流産など不育症による不妊の原因として、受精卵の染色体に異常があることが考えられます。染色体に異常のある受精卵は、受精し着床しても流産や死産を繰り返してしまいます。

流産は心にも体にも傷を付けてしまいます。
何度も流産を繰り返す習慣性流産の方の傷は相当深いものです。

流産によって傷つく女性が少しでも少なくなってほしいと願っているのです。

ポイント

着床前診断は、体外受精をすることを前提としています。
着床前診断では、もともと染色体異常で着床できなかったり、流産になったりしてしまう運命の受精卵を避けて、胎児として育っていける受精卵を選び、子宮に戻すことができます。これによって、流産で深く傷つく女性を救うことができると思っています。

【着床前診断の主な流れ】

  1. 検査は複数の受精卵を検査しますので、まず排卵誘発剤で複数の卵胞を育て、十分な大きさに育った卵子を取り出します。
  2. 取り出した卵子とご主人の精子を受精させます。
  3. 育った受精卵から細胞を採取し検査します。
  4. 着床し、妊娠継続が期待できる受精卵を子宮に戻します。

人は誰でも「基本的人権」を持っています。
その中で「幸福追求権」という権利が認められているんですね。
子どもを育てることは人の本能であり、それを幸せととらえる方もいらっしゃいます。
流産は防げるのですから、医療技術をもって流産でつらい思いをされる方の幸せの権利を実現できるのであれば、それは私の使命かなと思っています。
他人が人の権利を制限するのはやはりおかしいですからね。

着床前診断の成果

着床前診断をして実際に流産の確率は減るのか、というところが大切ですね。 着床前診断をすることで、流産率は半分に減ります。場合によっては体外受精の妊娠率を上げることもあります。

また着床前診断を受けた妊娠継続の可能性の高い受精卵なので、戻す受精卵の数は1個で十分です。これは多胎妊娠を防ぐことにもつながります。

着床前診断では、遺伝子疾患の検査もできます。
着床後に行う出生前診断として良く知られている検査に「羊水検査」「絨毛検査」があります。

これらの検査で胎児の遺伝子疾患を診断することもできますが、着床後に行うため、遺伝子疾患が見つかったあと、中絶を選択される方も少なくありません。

中絶も女性の心と体を傷つけます。
またご自身の赤ちゃんを産むか産まないかで悩まれることも苦痛となるでしょう。また、羊水検査や絨毛検査によって、合併症などを引き起こし、母子ともに危険な状態になることもあります。

日本産科婦人科学会の見解

日本産科婦人科学会では、「重篤な遺伝性疾患を適応とする場合」にのみ、着床前診断をしても良いかどうか審査するとしています。

着床前診断は、流産に悩み、心に大きな負担を抱えている女性のみなさんにとって、その負担を少しでも取り除いてあげられる革新的な医療技術です。アメリカなどでは着床前診断の組織もしっかりしていて、サポートも進んでいます。

日本では着床前診断ができる施設は増えているもののまだまだ少なく、産婦人科のドクターの中でも詳しく知っている方が少ないのが現状です。 産婦人科のドクターに広く知って頂くことで、流産に悩む女性にも広く知って頂くことができます。

実際に着床前診断をする、しないに関わらず、まずは着床前診断を正しく知って頂くことが必要だと思っています。
それによって、救うことのできる女性、誕生する命があると思うと着床前診断を行う意味があるのではないかと感じています。

女性の皆様へメッセージ

女性が妊娠、出産について自己決定権を持ち、幸福を追求することは当然だと思います。
女性の妊娠・出産の権利を守ってあげたい、私が着床前診断をする理由はただそれだけです。
すべての女性には幸せになる権利があるのですから。

着床前診断を受けるかどうか考えていらっしゃる方は、躊躇せずにまずはご相談にいらしてください。

原因を調べて、着床前診断が必要かどうかをみてみましょう。
そしてきちんとしたインフォームドコンセントを受けて、納得された上で着床前診断を受けてもらえればと思います。

私も長年不妊治療に携わり、たくさんの患者さまと接してきました。
不妊治療を受けられる患者さまのお気持ちはよく分かります。
あせらずに専門医としっかり相談し、前向きな気持ちで一緒に治療しましょう。

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