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不妊症について先生にインタビュー

不育症について

桂川レディースクリニック院長桂川浩先生の画像
桂川レディースクリニック
院長 桂川 浩先生
http://www.katsuragawa-lc.com/

不育症とは

不育症というのは、自然に妊娠することができるのに、胎児が育たずに流産や早産になってしまうことを言います。
(妊娠することが難しい不妊症とは別の症状です。)

≪不育症の原因と頻度≫

  • ホルモンバランスの乱れ…20%
  • 子宮の異常…15%
  • 染色体異常…4〜8%
  • 感染症ウイルス感染…1〜2%
  • 原因不明…50%
  • その他:免疫的異常、心臓病、遺伝など

習慣流産とは

不育症の同義語として習慣流産というものがあります。 1回目の妊娠で流産になる確率は15%くらいあります。
ところが、年齢別にみると35歳を過ぎると、だいたい25%近くらいの方は流産されます。
年齢が高いと流産の可能性も高くなるということですね。
流産を3回連続して繰り返した場合を習慣流産といいます。

≪流産の頻度≫

  • 1回目の妊娠で流産する確率 15%
  • 前回の妊娠で流産された方で次回も流産する確率 17〜18%
  • 前々回、前回の妊娠で流産された方で次回も流産する確率 18%

流産を繰り返す方が結構多いことがわかりますね。

習慣流産というのは、子宮の異常や内分泌系の異常(黄体ホルモンが少ない)、基礎体温の高温相が短いことで流産を繰り返したり、甲状腺ホルモンや自己抗体が妊娠を妨げていることが原因にあげられます。

不育症の診断

不育症の診断は外来レベルでできます。
検査は血液検査、超音波検査、子宮卵管造影、腹腔鏡、内視鏡検査を行います。
内分泌系に異常があった場合はホルモンを補充することで改善されます。
自己抗体に問題があった場合は、例えば抗リン脂質抗体に関しては、抹消の小さな血管に血栓がつまるほか、自己抗体が直接、胎盤のもとになるじゅう毛細胞に作用して、流産を引き起こす、ということがあるのですが、それを食い止めるためには低用量のアスピリン療法が効果的です。
また副作用の強い薬もあるので、漢方で代用したりします。

治療はあらかじめ問診をして、患者さまごとに原因を予測し、ピンポイントで治療内容を決めていきます。
当院に来られる習慣流産の患者さまのうち85%の方が妊娠を継続されていますので、かなりの確率で赤ちゃんを出産されていることがわかります。

原因不明の方の治療方法

原因不明の不育症の方は50〜60%いらっしゃいますが、原因不明でも低用量のアスピリンを服用することで妊娠を継続される方がいます。
メカニズムとしては、アスピリンに自己抗体を中和する作用もあるのではないかといわれていて、原因不明でも服用してみたら結果的に妊娠を継続したとされる方がいらっしゃるということですね。

不育症と不妊症

不妊症で、不育症という方もいるのですが、2重3重の苦しみを抱えていらっしゃいます。
大変な苦しみですよ。治療に保険が適用される場合もありますが、もちろん経済的な苦しみもあります。
妊娠して、それをちゃんと継続してもらって、出産してもらう。
なんとかその喜びを味わってほしくて私たちも日々頑張っているんですね。

効果的な治療法とは

低用量アスピリン、へパリン、漢方ですかね。
原因不明の方には、ご自身の自己抗体が胎盤のもとになるじゅう毛細胞に直接作用して、それによってじゅう毛の発育が悪くなって流産してしまう、ということがあります。
これは今の検査室レベルではわからないことが多くあります。
そういった場合にはアスピリンやへパリンがきく可能性は大いにあります。

不育症の方が抱える悩み

不育症の方は 「妊娠は簡単にできるけど、次の検診のときにちゃんと赤ちゃんの心拍が確認できるんだろうか」とか「また心拍が停止していたらどうしよう」、「出血したらどうしよう」と不安を持ちながら妊娠生活を送ることになります。
胎動を感じる20週をすぎたらまだ良いですが、それまでは大変不安な日々を過ごしていらっしゃいます。

これだけ医学が進歩しても原因不明が半数以上もあるので、やはり治療は難しいですね。
患者さまにとっては不育症の原因がわかることも大切ですが、最終目標は元気な赤ちゃんを産むことですので、原因がわかってもわからなくても目標が達成できることに目を向けて治療に励んでほしいですね。

治療以外にも

内面から自己免疫力を高めるということも大切かなと思っています。
お薬に頼るだけではなく、体質や考え方を少し変えるだけで妊娠率はアップします。
ヨガやお茶教室などどんな方法でも良いです。
ご自身ができる方法で、精神的・身体的な安らぎをご自身に与えてあげることが大切だと考えています。

不育症に悩まれている患者さまへメッセージをお願いします。

妊娠してもいつ流産するかわからないという不安な状態の妊婦検診が続くので、精神的にはかなり辛いと思いますが、やってきた治療を信じて頂いて、一緒に頑張りましょう。
細かいことは考えず、精神的にも身体的にもリラックスした状態でできるだけいてください。

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